2015年6月8日月曜日


第二部  形、ギャル、本、パフォーマンス、コンセプト


フ 誰かを好きになったら、その人の形に寄せようとしちゃう。趣味とかじゃなくて。
前、細い人が好きになって、凄くダイエットをした。その人になりたいなーって思って。

Y 純粋なのかな?

フ なんか、その人が欲しいなって思って、じゃあ、なろうかな。みたいな。
しゃべり方とかも真似したりしちゃう。

Y 口癖とかがうつるのは分かる。
好きなひとじゃなくても、仲良くなると口癖はうつるね。

熊 フグリ君は太ってたの?

フ そうでもないけど、今の10キロくらいは増しかな。

Y 今、何キロ?

フ 今53くらいかな。

Y ふくよかだったんだね。

熊 53は痩せてるね。

フ 東京きたときは47くらいまで一気に落ちたけどね。

熊 俺、でも落ちた方だよ。元々70キロくらいあって。
走ったり、一人暮らしになって。それもあって、今は60くらい。

フ 食べなきゃ痩せるよね。

熊 単純にね。昔、白滝しか食わない知り合いがいて。
本当にガリガリになっちゃって。大学時代の知り合いなんだけど。

Y 病院行って、問診の時に、最近なに食べてますか?って、
白滝しか食べてない、って。そりゃ痩せるよね。

フ 栄養ないよね、もやしより駄目。

Y 信号待ちでお母さんに手をひかれてる小さい子が「ママ!ドビーがいるよ!」って(笑)
風で浮いちゃうんじゃないかってくらいに痩せちゃって。

フ それはなんでなの?

Y なんだろう、コンプレックスがあったのかな。

フ 女の子には多いよね。

Y 不思議なのは、みんな歯止めが利かなくなるよね。
ここまでいったら、って形で留まらない。

フ 達成するのが怖いのかも知れない。
それは、彼氏なり誰かが言ってもあんまり意味ないんだよね。
俺もそういう女の子に、「俺は凄く君のことを可愛いと思うよ」って言ったけど、
「まだ足りない」って言われた。「片岡さんだけに言われても意味がない」って。

熊 バンドとかもそうなのかな。一人二人にイイって言われても満足できない。

フ でも単純に正直な人かな。と思うけどね。足りないっていうのは。

熊 kumagusuはもっと良いって言われたい。

Y ギャルに。

熊 ギャルにはいかないでしょ。ギャルにキャーって言われるより、年上の人にイイねって言われるくらいだと思う。

Y マジ、熊サイコー!!って。

フ ギャルね、ガキ?ガキとギャルは違う?

Y 思うんだけど、自分がどんなにカッコ良くても、ルックスじゃなくて、精神的に満足のいく成熟をしても、ちょっとしたことでギャルに「あんた無いわ」って言われたら全部終わる。ギャルの発言力はやばい。ギャルに否定されたら終わる。暴力性。

フ ギャルは代弁者。

Y ニーチェがいいこと言っても、ギャルが否定したら終わりだよ。

熊 単純に価値観の違いだね。俺達が異性にコンプレックスを持つから、ギャルにそう感じるだけじゃない?

Y でも、あれが健全だなって気はする。「つまんな」で難しい話を終わらせられる、
何処かに良さがある。

熊 哲学なんてつまんないと思うよ。哲学でモテてるやつなんて見たことない。
モテてるやつは他のコミュニュケーションと、顔のスペックがいいとか。
呑みの席で哲学の話しても面白くない。

フ 哲学な。そんなに面白いとは思わないかも知れない。

熊 単純に、細かい答えの出ないことをゲームみたいに考えてるのかも知れない

フ なんかね、可愛らしさが感じられない

熊 でも、そういう本読んで発見はあるんだけどね。創作のヒントになったりするし、俺は本はまぁまぁ読むし。好きだけど。まぁつまんないっちゃつまんないのかな。

フ 神秘主義は読むけどね。

熊 神秘主義?

フ 死んだら何処にいくか?的なことが根っこで、人と人との繋がりとかを考える学問。

熊 宗教的なものだったりするんだ。

フ そうだね、神とは?みたいなね。

熊 どういうのがあるの?

フ シュタイナー、とかが多分第一人者のひとで、あの人の考え方は、死んだらでっかいモノになっていく、その中の部分になっていく。それはチベットとかの考え方に近いものがあって、他人は自分の一部だし、自分は他人の一部みたいな。
他人がなにかわがままを言っても、これは自分だから、怒ったりしない、みたいな。
















熊 すべては繋がっている。みたいな?

フ そう。

熊 宗教っぽいね、西田幾多郎とか授業あったけど、そんな考え方だったね。

フ いいね、あの人も好きだよ。

熊 俺、一応哲学科だから読んだりしたけど、全然憶えてないな。
善の研究とかさ。授業で読んだけど、そういう感じの考え方。

Y 禅ってなにするの?

熊 禅じゃなくて、善ね。仏教のやつじゃなくて。








Y それは考え方っていうのはどういう?

熊 今説明できるほど憶えてない(笑)
俺もほとんど不良学生だったから、語れるほど憶えてない。
ましてや俺、卒論は即興演奏についてだったからね。

フ インプロヴィゼーション。

熊 佐々木敦とか、そういう批評家とか参考にして、なんとなく書いたね。

Y でもちゃんとやってたじゃん。

熊 ちゃんとやったよ、一応Sくれて。

フ 佐々木敦か。最近読んでるよ。ムサビだよね

熊 そうだね、いま確か早稲田だけど。多摩美だったら、椹木野衣とか。

フ うん、いるね。

熊 授業とか受けてた?

フ 受けてたけど、結構基本的な、音楽の歴史とか、
ブルースとかの根本とか。あんまり込み入ったことはやってなかったな。
中沢伸一も授業受けたかったな、あの人の本も好きだから。

熊 椹木野衣の、シミレーショニズムとか読んでたけどね
















フ どんなやつ?

熊 コピーアートとか、ヒップホップ、マイクミドルとかのピカソの贋作とか、サンプリングとかそういう文化についての本。
あと、飴屋法水とかのヴァニシングポイント、あれの批評とか好きだけどね。
影響受けてて、ツラネにも繋がっている。「喪失」っていうテーマ。
知ってる?

フ ヴァニシングなんとかは聴いたことあるな。

熊 飴屋法水自身が大きい箱に入って、展覧会の間、20何日間その中で暮らしてた。
彼自身が喪失しているっていう。

(http://www.performingarts.jp/J/art_interview/0911/1.html)

証明写真とか、顔だけが無くなった自分の姿を撮ったり。
あと、文字とか文章とか、その文字が一文字ずつ消えて行ったり。
なんかこう、あったものが失われているっていう奇妙さとか、
侘しさっていうのは影響を受けてるね。

フ 最近はこっちに管理させるパフォーマンスから、
最近はそういう方にいっている感じがするね。
昔あったので、入口に裸の男女が立ってて、そこを通るには、
その二人に触らなければいけないくらい狭い。触れ合わなければいけない。
その時のお客さん側の感情はどんなことになるんだ?
みたいなのがパフォーマンスアートでよくあった。
裸の男女が直接こちらにアプローチしてくる演劇とか。
そういうものから、最近はパーソナルなものに移行してきてるのかな。

熊 フグリくんは、歌のテーマみたいなものは、自分っていうのが大きいの?

フ 自分っていうか、なんだろう。テーマとしてはもっと、大きな、回想っていう。

熊 エキスパートだもんね。(片岡フグリ、回想論エキスパートを標榜)

フ そう、それは一番根っこの部分で共有出来る感情っていう概念。
懐かしいって思う概念は、みんな共通として持ってるだろうから、
それを共有したいっていうのがあって、その上で俺の経験とかを糸口として歌ったりする。だから、お客さんに感じてほしいのは懐かしいとかその根本的な「感情」だけ。
なんだけど、今やってるライブとかでは、そういうのじゃ無い歌もあるし、
商業的な、自分を出してくっていうのが必要ではあるけど、最終的にはそこかな。
だから、言葉がある必要があるのかも分からないね。

Y なんかこう、確かに絵とかを見てて、なんかわからないけど懐かしい。ってことはあるよね。いつか昔、幼少期にそれを見たとか、覚えが無いのに懐かしいっていうのはなんでなんだろう。

フ 作家っていうのは、そういう時を越えたものになっていくしかない。
今、歌っているけれど、その今を見にきてくれてる人だけじゃなくて、
例えば自分が好きになった歌が30年前とかの歌でも、
本当に感動すれば、それは自分に向かっての歌だと思ってもいい。
それが出来た時に、どんな影響下にあって作ったか、それは誰かに向けての歌だったのかも知れないけど、いま自分が再生してそれに感動したってことは、
自分に向かって歌ってる歌なんだ。と思ってもいい。
だから、作ったそれをレコーディングして残す。っていう行為は、そういう先の未来の誰かに向かってのメッセージ、手紙をボトルに入れて海に流すのと同じなんじゃないかな。

熊 不変性を大事にしたい?

フ そうだね、だから「感情」みたいなものになってくる。
時代を切り取るっていうよりは。

熊 何にでも通底してるものっていうか、特別な何かとかじゃなくて、
なにか繋がったものだよね。そこに流れてるものっていうのは。

フ そういう意味ではフォークではない。

熊 確かに、フォークってのは時代だもんね、岡林(信康)とかも。

フ まだあの人の言いたい事は繋がっているものがあるけどね。
ああいう、今になって学生運動とかが無くなってっていうのはあるけど、あの人の歌っていた感情っていうのは、まだ繋がってるものがあるし、今の時代も同じだなって所もある。

熊 共感する部分はあるね。そういうのは、Yはどう思ってるの?

Y 不変性?

熊 だったり、どういうものに共感してほしいとか。

Y 難しいよね、なんか。俺は後先の事は考えてないけど、すごく自分勝手だと思う。
でも、最終的に残っていって後世で聴く人がいて、何かの感情を持ってくれたら、それは一番理想の形だと思う。

フ 確かに、共感するのもそうだけど、それがイコール懐かしさに繋がるのかも知れない。経験したものがあるから共感をする訳だし。

Y 懐かしさを感じるものは、絵でも、俺の中では視覚的だったり聴覚的だったり、匂いが想像できるのが懐かしさかな、って。

熊 匂いが一番記憶と結びついているっていうからね。

フ プルースト効果だね。

Y 情景みたいなものが、匂いとリンク出来るのが、懐かしさかな。

(第三部へ続く)

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